2023年10月26日木曜日

「屠畜のお仕事」が面白い

 栃木裕 氏著 「屠畜のお仕事」という本が面白かった。

私の生き物に対する考え方と90%くらい同じだったからだ。

中でも一番共通していた点は、

「免罪符はいらない!」という点だ。


読書はあんまり好きじゃないので本当は読もうと思ってた訳じゃないんだけど、奥さんが図書館で借りてきてくれたんだ。

「パパ、こーゆーのん好きやろ?」だって。

どんな風に思われてるんだろう。

仕方ないので適当にパラパラっとめくった時にその、免罪符は~ってのが目に留まってしまって気になって一気に読んじゃった。

うん、私もね、常々ホントそう思ってたんだわ。

うちも私が大学卒業するまで実家は畜産農家をやってたし。

今だって田舎に引っ越してきて鶏を飼って卵を採ったりミツバチを飼ったりしてるもんで。

家畜を一方的に消費するだけじゃなくて育成して利用するような事もやってる訳で。

庭をイノシシに荒らされた時には迷わず駆除してもらったし。

その結果90%くらい似たような考えに至ったのかなと思う。


でね、90%くらい考え方が同じって言った訳だけど、じゃあ残りの10%の違いって何じゃい?ってことになるとね・・・やっぱり職業の違いだと思うのね。

著者の栃木氏は人生のほとんどを屠畜とそれに関するお仕事に費やしてこられた訳で。

大多数の人はそういうお仕事じゃないし私もそうじゃない。

したがって大抵の生き物を自分の手で殺すことにどうしても抵抗を感じちゃいますな。

肉は好きだし綺麗事を言うつもりはない。

でも頭ではわかってても自分で殺すとなると嫌なもんです。

だってそりゃあ仕方ないよ。

物心ついた時から肉も魚も死んだ状態で売られてんだから。

食欲が勝つほど飢餓で目をギラギラさせた状態になることも無いし。

海で魚釣っても自分で〆るとこまではできないけど、クーラーボックスの中で勝手に死ぬのはあんまり気にならないんだよね。

自分の目の前で死ななければそれで良い。

まあ、言ってみればエゴの塊なんだね、私は。

だから屠畜を生業にした方と全く同じ考えになれる訳ないんだよね。

でもだからこそ人の話を聞くのは楽しいってことなんだよね。


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