2012年5月15日火曜日

それでも切り絵は良いなと思います。

2Fのギャラリー管理人の切り絵作家「横山浪漫」は有名な「蒼山日菜」さん
と間違われたり、作品が似ていると言われたり蒼山日菜さんの話を振られたりするのが
とても苦手なようです。

うん、気持ちはわかります。

蒼山さんがスイス文化の切り絵を始められたのが2000年からだそうですので
浪漫の方が切り絵を始めたのは先です。そもそも浪漫は蒼山さんの作品って
あんまり見てないと思います。

というか・・・切り絵の文化は昔っから世界中にあるわけで、
「民芸」や「芸」ではなく「アート」や「イラストレーション」の分野では
「切り絵」自体は単なる技法というかの表現手段ひとつです。

最終的にそれをもって何を描き出すかが大事なことだと思います。

でも・・・。

切り絵ってやつの厄介なところは普通は黒い紙を切って
白いバックグラウンドの上にのせて見せることが多いため、
(逆だとあんまり綺麗じゃないんで・・・)
基本的に2諧調なわけです。

画材の選択や筆さばき、カラーコーディネイトなど
個性を表現できる要素のほとんどを捨ててしまった技法です。
また黒を基調にした時点で表現できる雰囲気も限られてしまいます。
もちろん色紙を切ったり裏に入れたりすることはありますが基本は白黒だと思います。

ではどこで個性を出さなければならないか・・・
必然的に「形状」が主体となります。
その中には紙をより細かく切る技術による「繊細さ」の優劣もあると思います。

しかしやっぱり最終的には作者が描く「絵面」。
内容が大事ってやつです。
油絵や色鉛筆と一緒ですよね。

風景を切る人もいれば人物を切る人もいる。
リアリティを追及する人もいればディフォルメしてよりイラストレーションに近づける人もいる。

だから「切り絵」って一言でくくっちゃうもんではないと思います。
蒼山さんのおかげで切り絵というマイナーな表現が注目されて、
これまで活動していた切り絵作家さんが蒼山さんのマネだと思われることがあるようです。

当たり前なんですが「マネ」とか「パクリ」とかね~、
実際に創作活動やってる人間は各々「描きたいもの」を持ってらっしゃるので
そういうことはあんまり考えてないと思います。
北斗の拳とジョジョの奇妙な冒険、どっちも脂ぎった絵なので
昔は絵面の区別がつきませんでしたが全然別物ですわ。

でも・・・たかだかその程度のことです。

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